消化管疾患

消化管グループでは,食道から肛門に至る全ての消化管に発生する疾患を対象にしています。消化管は食物の消化・吸収を担う重要な働きを持っていますが、がんを始めとして非常に多くの病気があります。我々は光学診療を中心に消化器癌の診断,早期癌の治療を行うとともに、潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される消化器難治性疾患の診断・治療にも力を注いでいます。当科における内視鏡件数は昨年度は上部消化管内視鏡3610件、下部消化管内視鏡1479件、胆道系内視鏡126件でした。

早期消化管癌

近年、早期癌、腺腫(前癌病変)に対してはESD(内視鏡的粘膜剥離術)といわれる切除方法が浸透してきており、従来の切除方法と比較して大きなサイズの病変も切除が可能となっています。当科も積極的にこのESDを行っていますが、必ずしも原発を切除するだけで根治するとは限らず、サイズや細胞の悪性度などでリンパ節転移をおこす確率が高くなることがあります。その場合は、患者さんの状態にもよりますが、より100%に近い確率で完全に治る開腹での胃切除術+リンパ節郭清を薦めています。

進行消化管癌

外科的治療が可能な症例に対しては外科と密接な連携のもと、速やかに手術が行なえる体制を整えています。また、外科的加療が不可能な症例に対しては化学療法を主とした治療が行なわれます。(詳しくは「がん診療(臨床腫瘍グループ)」の項を参照) また、本院の特徴として合併症などにより手術ができない癌に対しては積極的に光線力学療法(PDT)を行なっています。これは癌に親和性のある蛍光物質を事前に投与し、癌に集積した蛍光物質に内視鏡的にレーザーを当てることで、癌を物理的に破壊する方法です。胃を温存できる、手技に伴う合併症が少ない、などのメリットがあります。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)は、若年者に多く発症し、原因不明の難治性疾患で、現在その患者数が世界的に増加傾向にあるために大変注目されています。当科では、潰瘍性大腸炎に対しての白血球除去療法・シクロスポリンなどの免疫調整剤治療・外科治療、クローン病に対するInfliximab(レミケード)、外科治療なども積極的に行っています。また新薬の治験も、適宜他施設と共同で行っています。

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